「どの試験も同等で、公平に測定されている」
そういう建前を信じていませんか?正直に言います。元審査マネージャーのパートナーによると、審査オフィスで働いていると、最初に不十分なスコアを提出した学生が、別の試験に切り替えて突然クリアしてくる、というケースを何度も目にするそうです。明らかに、試験によって難易度は違う。ではその差はどこから来るのか。彼が現場で感じてきたことを、そのままお伝えします。
難易度を左右する5つの要因
採点方式(人間かAIか)
人間の採点官がいる試験では、話し手の緊張感が結果に影響します。採点官の「寛容さ」や「主観」が入り込む余地があるということです。緊張しやすい人には不利になることもあれば、愛想よく話せる人には有利に働くこともある。一方AI採点は感情がない分、予測しやすく、対策が立てやすいという特徴があります。
スピーキングの形式(対面か、コンピューターか)
対面のインタビュー形式では、ボディランゲージが会話の流れを助けてくれることがあります。自然な対話の中で、小さなミスを流してもらえることもある。ただし予測がしにくく、緊張しやすいのも事実です。コンピューターへの録音形式は、構造が決まっているぶん対策が立てやすく、同じパターンの問題に慣れることができます。
問題の種類
「聴いて、読んで、要約する」という統合型タスクが得意な人もいれば、「自分の意見を述べる」という実践的なタスクの方がやりやすい人もいます。どちらのスタイルが自分に合っているかを把握した上で試験を選ぶと、同じ英語力でも結果が大きく変わります。
試験時間と疲労
2時間以内なら「やれる」と感じる。4時間近くになると、英語力より集中力と体力の問題になってきます。試験後半になって急激にパフォーマンスが落ちる人は、試験時間の短い試験を選ぶだけで結果が改善することがあります。
試験対策の効きやすさ
これが一番重要かもしれません。「コーチングで高得点が取れるか」という観点です。試験の形式と出題傾向を徹底的に頭に叩き込むことで、実際の英語力以上のスコアが出せる試験があります。逆に、どれだけ対策しても実力がそのまま反映される試験もあります。
難易度ランキング(易しい順)
彼の見解はこうです。
- TOEIC(ただし大学入学・学生ビザには使用不可)
- PTE Academic(断トツで簡単。他の試験会社から公然と批判されるほど)
- TOEFL iBT
- IELTS Academic
- C1 Advanced(CAE)
- C2 Proficiency(CPE)
なぜPTEがここまで「簡単」なのか
ネパール、インド、その他南アジア・東南アジアの学生の間で、PTE Academicが「合格への近道」として広まっています。その理由はシンプルです。
まずAI採点なので、採点基準が一貫していて予測しやすい。問題形式も「音読」「文の繰り返し」など繰り返し登場するパターンが決まっていて、慣れれば慣れるほど有利になります。さらに一つの問題で複数のスキルが同時に評価される「統合採点」方式のため、うまくいくとボーナス点のように得点が積み上がります。
そして何より「コーチングが効く」。試験の戦略を学び、徹底的に準備すれば、実際の英語力よりもかなり高いスコアが出せる可能性があります。他の試験会社がPTEを公然と批判しているのも、ある意味この「やりやすさ」への反応です。
スコアを取ることがゴールではない
簡単な試験でスコアをクリアして大学に入学した後、実際の授業についていけなければ意味がありません。英語要件はゴールではなく、スタートラインです。
特にオーストラリアの大学院では、英語でのレポート執筆、グループプレゼンテーション、口頭試問など、高い英語運用能力が求められる場面が連続します。入学後に苦しまないためにも、試験のスコアと実際の英語力をできるだけ近づけておくことが、長い目で見れば一番の近道です。
次の第13話では、彼が実際に英語試験の採点官として働いた経験から、採点室で目撃した「衝撃の現実」をお話しします。

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